幼心から染み付いたレディーファーストの教え

バスやエレベーターに乗る時、建物から出る時・入る時、ふと誰かとタイミングが重なることってよくありますよね。
そういう時日本ではどうするでしょうか?
「あっすみません」「どうぞどうぞ」を繰り返すか、無視してさっと先に行ってしまうことも多いのではないでしょうか。

オーストラリアではこのような場合、相手が男性であればほぼほぼの確立で譲ってもらえます。
(こちらが女性という前提でお話しています、男性の方すみません、、笑)
「After you!(お先にどうぞ)」がこの時の決まり文句。
たとえ男性側が先に行ったとしても、ドアを押さえてくれるなど必ずケアしてくれます。

欧米に行ったことのある方は、日本に住んでいて一度は「日本人男性はレディーファーストがなってない!」と憤りを感じたことがあるのでは?
私も実はそのうちの一人です。
混みあった電車で我先にと座席に駆け込んでくるサラリーマン、荷物を自分の横の席に置く青年…
子連れの女性が立っていても無関心な態度に苛立ちを感じたことがありました。

どうして海外の男性は自然に女性を優先できるのでしょうか。
密かな疑問を抱えながら暮らしていたある日、友人とこの話になりました。
さらっと話しただけの軽い会話だったのですが、彼女の友人のオージー男性によると、
「物心ついた時から教えられていたから当たり前のことで特に何も考えてない」
とのこと。
私の中でのイメージは、中学生ぐらいになって女子を意識し始める頃に考え始めることで、まだ男子と女子の区別もそこまでない幼少期から教え込まれたところで理解できるものなのかと新たな疑問が生まれました。

さて、そんなある日、日本から兄が出張でシドニーにやって来ました。
1日だけフリーだったので一緒に観光に出かけ、せっかくだからとシドニータワーに昇ってみることに。
土曜だったこともありある程度混みあっていました。
ついに自分たちの番ということでエレベーターに乗り込むと、そこには一組の親子が。
3歳ぐらいの男の子とお父さんが乗っていました。
エレベーターが上階に着くまで少し時間がかかったので、その親子は他愛のない話をしていました。
そしていざ降りる時、お父さんが一言
「Here we are! Don't forget lady first.」
と息子に向かって声をかけたのです。
男の子も走り出すことなく、何も言わず私が先にエレベーターから出るのを待っていました。
なるほどこういうことかと今までの疑問が腑に落ちた瞬間でした。
物心つく前から繰り返し教えられ、物心ついた頃にはもう当たり前になっているんですね。
わたしにももし息子が生まれたら、女性を大切にするジェントルマンに育て上げたいものです。
(自分が大切にされたいだけ。笑)